コミュ障でもコミュニティで新しく友達を作れる ~ コニュニケーションが苦手な人ほど登壇しよう

登壇すれば、自己紹介が完了した状態を作れる。ただし、そこには「貢献」の心が伴うこと

Comunity Leaders Summit in 高知 Returns というイベントでLTした内容です。スライドが超絶言葉補足前提のものだったので記事で補うものです。「コミュニティ活動を通して得たビジネスやキャリアに関係する良い影響」がお題だったのですが、僕としてはその「良い影響」を得る過程で得たある気づきがとても大きかったと思い、そんなお話をしました。コミュニケーション能力強者が多いコミュニティリーダーの方々、僕のような奴を見かけた時にアドバイスしてやっていただければ幸いです。

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コミュニティイベントで登壇すればコミュ障でも新しく友達を作れる

コミュニティ活動に参加することの大きなメリットに「人との繋がり」があります。コミュニティで知り合った人から仕事の依頼をもらえた、知り合った人の会社に転職した、社内では相談しづらい悩みを相談できた、などなど、人と繋がると良いことがたくさんあります(コミュニティ活動で得られる良い事についてはイベントで色々な方々が語られておりますしたので割愛)。

しかしながら、その「人と繋がること」自体が僕らコミュ障にとっては難しい。 同じような興味関心を持つ人たちのあつまるコミュニティの中とはいえ、新たな関係を自分から構築すると言うのはとてもハードルの高い事なのです。

ということでこの記事では、僕のようにコミュニケーション能力に自身がない人でも実践できる「コミュニティにおける勉強会やイベントで新しく友達を作る方法」についてお伝えしたいと思います。

  • 勉強会でのネットワーキングが苦手な人こそ登壇しよう。登壇すると、会場全体に自己紹介が完了した状態が作れるから、話しかけてもらえる確率があがるよ
  • 登壇の敷居が高い!と言う人はコミュ力以外で役に立てることを見つけてやってみよう(些細なことでも良いから続けてみよう)。きっと誰かがみていてくれるよ
  • 「貢献する」って思いがなければ何をやってもダメ!絶対にダメ

勉強会でのネットワーキングが苦手な人こそ登壇しよう

僕はいわゆるネットワーキングタイムというのが苦手です。初対面におけるコミュニケーションで色々考えてしまい、なかなか滑り出しで良い会話をする事ができません。 昔の自分も、師匠の教えに忠実に外と繋がるべく、勉強会、懇親会に積極参加したものの、一向に成果は得られませんでした(技術的知識の蓄積にはなったのだけど、ここでいう成果とは、色々相談できるような人とか一緒に頑張ろうぜできる人との出会い)

ネットワーキングが苦手な理由

僕と同じような感じの人いるんじゃないかと期待して書いておきます。 そして、こんな人にこそ 登壇 という手段がおすすめです。

自分から話しかけるのが苦手

話しかける人のことがわからないので、自分との会話や繋がりで価値を感じてもらえるかどうかが不安、そこからくる話しかけたけど微妙な反応をされることへの恐怖故に話しかけられない。話しかけるタイミングを伺うのも苦手、既に誰かと話をしているところに割り込んでいくのは上記の理由より問題外です。

心の中(この方どう言う方なのかな。仮に自分が話しかけたとして、この人に何か有意義な時間を提供できるのだろうか。対話システムとかITとか興味あるのかな。またはめっちゃ知ってて僕なんかと話しても新しい情報一つも増えないような感じにならないかな。というかなんか疲れてしゃべりたくない気分だったりするんじゃないかな...あ、誰かと話し始めた。他に空いてる人いないかな〜。あ、とりあえずピザ美味しそうだからピザ食べておこう)

こんなことを考えて、お腹だけ膨らませて帰るのが日常でした。

自己紹介が苦手

シンプルに「僕は〜〜で〜〜をやっています」というのに大きな心理障壁があります。

具体的には例えば「興梠です。NextremerっていうAI Techベンチャーで働いています」って言うと同時に心の中(AIって言っちゃったけどこの方はどういう属性なんだろう。AIの定義とか気にする人なのかな。だとするとあとでウチが対話UIメインでやってるって知ったら「対話UI=AI」みたいに考えていると思われちゃうかもしれない。ちょっといやかも。事業としては対話UIが中心であるものの、深層学習/強化学習周りもやっているよと伝えるべきだろうか、対話にしてもDNN使った対話とかも取り組みの研究をしていることを共有すべきだろうか。あ〜いや、だけどそこまで反応ない人だと困るよな。そうだ、僕が前にSIerで働いていたり、IoTとか色々手を出しまくってた話もした方が良いのかな。というか、エンジニアですって言うとどう思うのかな。ちょっとエンジニアリングだけではなくて営業的な部分とか会社経営サイドちっくなお仕事もやっているって言った方が興味持っていただけるのかな、、あ、名刺に高知って書いてある。東京と高知両方あるって言った方が良いのかな。なんで高知でこういうことを〜とか語った方が良いのかな、、、あ〜〜とりあえずどうしようどうしようどうしよう) みたいなことを考えてしまってスムーズにわかりやすく自分を伝えられない事が多いです。

せっかく会話が始まったのに、いまいち盛り上がらずにピザを食べて帰るのが日常でした。

登壇すると「自己紹介が完了した状態」になるので、話しかけてもらいやすい

話しかけるのが苦手なら、話しかけてもらう

勉強会で登壇すると、発表中での自己紹介の内容、趣味嗜好、今取り組んでいること、考え方、レベル感、などなど、多くの情報を参加者に届けることができます。相手が自分のことをある程度知ってくれている状態、もっというと 何が共通の話題になるのかを知ってくれた状態を作れます。

共通の話題が見いだせる相手には話しかけやすいものです。思い返してください。他の参加者の方には話しかけずらかったかもしれませんが、登壇者にはなぜか話しかけやすかったはずです(空いてれば)。

発表での自己紹介は、一対一の自己紹介よりも難易度が下がる

登壇は自己紹介の難易度自体を下げる効果もあります。1on1状態の自己紹介とは違い、長く喋っても大丈夫です。そして何より、スライドを使うことができます。

登壇するなら場に貢献できる事を話そう【重要】

発表するならば、まずは長時間の発表ではなく、尺の短いLT(ライトニングトーク)等が良いでしょう。勉強会によってはLT枠を募集しているものもあるので、そこにエントリーすることでチャンスを得ることができます。

ただし、LTといえども舞台を私物化して好き勝手な話をしても状態は好転しないので要注意です。 ギブから始まるのが世の常です。何を喋ったらみんなの役に立てるかを考えましょう。

僕の人生初のLT登壇は、人生の中で最も思い出したくない瞬間の一つです。発表中は頭が真っ白になり、発表後はすぐにでも出て行きたい気分を必死でこらえ、懇親会的なものにも出ずに帰ったことを覚えています。

敗因はもうわかっていて「全然凄くもないのに背伸びをしてすごい人っぽいことをしようとして無価値な発表をしていた」というものです。

大抵のコミュニティは寛大です。すごい人たちも強い力を持つがゆえに寛大です。。。寛大な傾向があると思います。しかし、それはコミュニティに貢献しようとする姿勢があることが大前提です。場を私物化して好きなことをいって、それが有益でもないような奴に誰も興味は持ちません。

具体的には?

では具体的にどんな内容を喋るのが良いでしょうか。ここでは技術系イベントのLTを想定します。

客観的に誇れる成果や知識がある場合は素直にそれをシェアすれば良いでしょう。しかし、なかなか見つかるものでもありません。そんなときは「自分の体験」を語るのがポイントです。もちろん、無理に深夜アニメのスライドを挟んでボケる必要はありません(できることをやりましょう)。

  • コミュニティでフォローしている技術を現場に適用した!
    • 多様な現場に当該技術がFitする/しない という知見や、新たな適用方法、組み合わせのアイディア、その課題などを提供
    • より良くするためのHowを考えるきっかけを提供
    • 普及活動に前向きに取り組む仲間がいるという勇気を提供
  • コミュニティでフォローしている技術の習得に挑戦した!
    • 多様なレベル感の人のハマるポイントなど、学習における感じ方を提供(会社での教育に使えるかもしれない)
  • 他の人の以前の発表を実践した!
    • 発表者への勇気づけ
    • シェアした知識が色々な人によって磨かれていくというそれはもう美しい...

ネガティブな内容でも全然ありですが、大事なのは身の丈にあった発表をすること。決してマスターではないのにマスターな振りはしない。挑戦のハードルは背伸びしても届かない程度の物が良いかもしれませんが、発表の姿勢は謙虚であることに越した事はありません。

ドヤりたいなら発表の前に相応の血反吐を履きましょう。

登壇するのはハードルが高い!というひとは、とにかくその場で役に立つと思ったことをやってみよう

登壇が効果的であるとはいえ、それは崖から飛び降りるような行為でもあって、中には踏み切れない人もいるでしょう。僕自身は「やってやるぜ!」と息巻いて飛び出すことはできたものの、その後の人生初のLTで大失敗した心の傷はなかなか癒えず、なかなか2ndチャレンジをする事ができませんでした。初対面におけるコミュニケーション能力をあげる以外はいつかは超えなければならない壁ではあるものの、やはり、いきなり超えるのは厳しいものです。

というわけで、そこに到るまでのステップ、ないし代替案としてのオススメの行動が 場に貢献する事 です。どんな些細な事でもいいから、以下のような役に立つ行動をしてみましょう。地味ですが、どれも喜んでもらえると思います。

  • 前の方の席に座るようにする
  • 会場の現状復帰を手伝ってみる(椅子並べ直し / ゴミ捨て)
  • 登壇者の言葉に積極的に反応して(うなづく等)登壇者を孤独にしないよう助ける
  • イベントハッシュタグ付きで実況する / 登壇してくれた人を褒める

これの何が良いかと言うと「話しかけられるきっかけになること」です。 「ありがとうございます〜」「いえいえ〜」というやりとりから「普段何やられている方なんですか?」って話しかけられるパターンが期待できます。なんせコミュニティ活動です。コミュ力の高い人は必ずいます。頼りましょう。まず役に立って自らが敵でないことを証明しましょう。すぐに友達とはいかないかもしれませんが、この積み重ねが信頼を産むのです。コミュ力がない分は行動でカバーです。椅子を運ぶのにコミュ力は要りません。

続けていけば「You次しゃべっちゃいなよ」みたいに機会を与えてくれたり、発表内容についてのアドバイスをくれるかもしれません。コミュニティのコントリビュータのサポートがあるのです。これなら恐怖の壁も超えられます。

まとめ

  • コミュ障だけどコミュニティで新しく友達を作りたいと思ったら「コミュニティに貢献」しよう
    • それは登壇でも些細なお手伝いでも良いはず
      • 登壇の場合は自分勝手な発表内容でないか注意しよう
        • 学習者は潔く学習者としての立場で!
    • そこにいるだけで価値のあるスーパーマンとかは、確かに話しかけられるけど、そんな事は他者が決める事であって背伸びしてすごい人っぽいオーラとか出すとシラけるよ!(自身があるなら良いけど)

終わりに

発表の内容まとめるつもりだったのにリライトみたいになってしまいました。 今回はLTで話した情報量を全部補う(+α)スタンスで書いてみましたが、かなりの文字数いくんですね。

それでは

追記 : コミュ障という言葉についてうんぬん考えたが一旦これで発表してしまっているのでこのまま公開する。議論が生まれればする。