左右分離型キーボード導入記録 - キーバインドとか使用感とか

2021.11.18に販売が開始された日本語配列の左右分離型キーボード「Mistel BAROCCO MD770 JP」を購入したので、新しいキーバインドになれる目的もかねて、使用感やキーバインドについてまとめました。

分離キーボードを検討している方、日本語配列派だけど自作までは...という方、Windows + WSLで開発環境を作っている方、などは多少参考にできるかもしれません。使用感はまだ買ったばかりなので一か月くらい使ったらまた書こうかなと思います。

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日本語配列の分離型は完成品がほとんどなく、現状(2021.11.18)時点で唯一の選択肢といっていいと思います。軸は静音赤軸、非RGBバックライトモデルを選びました。英字配列キーボードに移行しない理由はここでは割愛します。

動機

購入動機はノリです。大したものではありません。

  • 右スペースキーにいろいろバインドするとはかどる、と聞いた
  • デスク周りに何か変化がほしかった
  • 何となくガチ勢っぽい感じがした
  • 肩こりが解消する、と聞いた(特に悩まされてはいないけれど)
  • 日本語配列だと自作するしかない?と3日ほど悩んでいたときにちょうど販売開始された

気になる方はYoutubeででも「キーボード 分離(分割)」で調べてみるとよいと思います。

施した設定/キーマッピング

主な購入動機は右手スペースに何かをバインドさせていろいろやりたい、でしたので初期配置では使いません。

MD770のキーマクロ機能とMicoroft Powertyosのキーマッピング変更機能を使ってカスタマイズします。MacLinuxの場合はそれに準ずるもので対処が可能です。

話はそれますが、Windowsのキー設定をいじるうえでPowerTyosは導入が楽なのが良いです。自分のWindowsの使い方は「Windowsデバイスドライバ付のUbuntu」なので、WindowsPython依存のツールを使ったりコマンドラインを開いたりすることは苦痛でしかありません。この工程が存在しないだけでもかなり偉いです。

ただし、 右CTRLと左CTRL動詞押しのバインドをサポートしていない ので、左右CTRL同時押し@1というようなマッピングは設定できないので注意です。

上下左右矢印キーの配置を他のキーボード風に変更

買った後に気づきましたが、日本語版の矢印キーの配置はこんな感じです。

ないわーと思いましたが「Windows + 右スペース + kana」の同時押しで 右Shift を 上キーとした配置に変更できます。速攻やりました。

ややこしいのでキーキャップも付け替えるとよいと思います。

ホームポジションを動かずに上下左右移動、Enter、Backspaceを押したい

自分はVimユーザですが、これまでは普通にVim以外での上下移動は上下左右キーを使っていました。なので今回も矢印キーを普通に使うかなと思い矢印キーの配置変更までしたのですが、分離キーボードにするとなぜかホームポジションから動きたくなくなりました。なぜかは分かりません。 慣れていないので動きづらいのか、単純に右スペースキーをうまく使えば副作用なく実現できそうな気分になったからなのか、いろいろあると思います。わかったら書きます。

MD770のマクロでのマッピング

やりたい事 マッピング
右スペース 右CTRL 本購買のコンセプト。右手親指ですぐに押せるところに配置するとはかどりそう
CapsLock 左CTRL みんなやってますよね。これまではレジストリで設定してました

Microsoft PowerToysでのマッピング

やりたい事 マッピング
右CTRL + o Enter 薬指で押していたと思うので合わせてみました
右CTRL + ; Backspace HJKL以外ならどこでも良かったです
右CTRL + HJKL Vim風上下左右移動 なんかやりたくなりました

前提: 変換/無変換でIMEのON/OFFをするMac風の設定での運用

[没] 左CTRL + 変換 -> Backspace

推しやすさは良かったですが、思いのほか使用頻度が高く、親指を屈伸した状態でキーを押し続けた結果この記事の半分も書ききらずに親指が悲鳴を上げました。

[没] 右スペース -> Enter

同じく押しやすさは最高で、親指の屈伸具合も上記よりはましですが、この記事を3/4書ききるくらいには痛さを感じるようになりました。

また、右CTRLが便利に使えないため必然的にHJKL移動は左CTRLを使うことになります。そうすると、Chromeで最も利用するショートカットの一つであるCTRL+Lを潰してしまうため、HJKL移動の装飾キーは右CTRLであるべきであり、低コストで利用するには右スペースの位置にマッピングする必要がありました。

使用感

注意:まだ届いて3日程度なので気が変わるかもしれません。

全般 - 違和感なし

今のところ全く違和感なく使えています。もともとホームポジションを守った教科書通りのタイピングをしていたのもあって、左右分割による文字タイピングへの影響はありませんでした。すべて中学時代の我が家に訪れたタイピングゲームブームのおかげです。癖のある使い方をされている人は慣れるのに時間がかかるかもしれません。

また前述の通り「なんかホームポジションから動きたくないな」力学が強めに働く気がします。

新しいキーバインドの使用感

慣れたら最高で、ホームポジションから動かずにカーソル移動と改行、削除ができるのはとても良い体験です。CTRL+zなど左CTRLだと若干指の形が複雑になるようなものも右CTRLを使うことでストレスが減りました。 一方で右スペースにEnterBackspaceをバインドしたときほどではありませんが、そこそこに右手の親指を酷使するので若干の痛みは感じています。神経は既に慣れましたが、痛みについては指が負荷に慣れる必要がありそうで、もう少し時間がかかりそうです。

一方で、ちょっと使用感がVimっぽくなってしまったがゆえにxeb数字+j的なものを使いたくなってしまうのがたまに傷かもしれません。

あと、慣れるまでにあらゆる操作をミスったおかげでSlack等の未開拓のショートカットをいくつか発見しました。CTRL + SHIFT + h でHuddleを開いたり、CTRL+>でスレッド表示をToggleしたり。

姿勢 - 変化はあるけど体感はまだない

肩が開く(というと野球だと悪い意味に聞こえる)ことは確かにないですが、もともと肩こりもそんなにひどい方ではないので「改善した!」という実感はありません。来月あたりに不思議と体調が良い気分になることを期待しています。

キーボードとしての感想(打鍵音/打鍵感覚)

打鍵音は十分静がで、金属音は気にすれば気になるレベルです。

静音赤軸は十分に静か。開封直後は底打ちの金属音が気になって仕方がありませんでしたが、少し使っていたら気にならなくなりました。開封の儀の時は打鍵音に神経を研ぎ澄ましていたのだと思います。Web会議のマイクでも拾われていないようなので今のところ問題はないと思っています。とはいえ静音Realforceと比べてはいけません。あの静音性能は化け物です。

打鍵間はごく一般的な静音赤軸の打鍵感だと思います。

その他やったこと

新しいキーバインドになれるためのハードモード設定

EnterBackspaceなどは手になじみすぎているのでこれまでの手癖で入力してしまいがちなので、以下のマッピングを追加して使えなくしました。いずれもMD770のマクロでリマップしています。

  • Enter -> Escape
  • Backspace -> Escape

これで強制的に新しいキーバインドを利用するしかなくなります。

WSL-Ubuntu側で起動したGUIアプリで変換キーを認識してくれない問題の解決

以前のキーボードでは問題なくUbuntu側で起動したGUIアプリでも変換キーを認識してくれていましたが、MD770-jpをつなぐと変換キーを認識してくれません。無変換は認識してくれるのに。

キーについていろいろ調べましたが解決には至らなかったため、INSERTキーを犠牲にすることで対処しました。

  • kanaキーをINSERTに変更(MD770側)
  • PowerToysでINSERTを変換と認識するように変更
    • MD770側

※自分の環境ではVSCodeUbuntu上で起動しています。Linterなどの実行のためにPython等の環境が必要なのですが、Windows上で起動するとWindows上にPython実行環境を作る必要があるなど非常に面倒くさいのが理由です。

むすび

このエントリを書くことで大分なれることができました。 しばらくこれで運用してみて、新しいことがわかったりしたらまた何か書くと思います。

(多分普段の執筆はどのみちVimで書くことになりそうだなぁーと思いました)